心配していた渋滞も無く、予定より一時間も早く空港に着いてしまった。国内便のターミナルで親切にしてくれた運ちゃんともお別れだ。心からお礼を言って、幾ばくかのチップを渡し、タクシーを降りる。あとで、コンチクショウと思う事があるのだが、それもご愛嬌で、これを書いている今では「いい人だったな〜」と言う印象だけが残っている。名前を聞いたが英語名では無い難しいタイ独特の名前なので忘れてしまった。バンコクにでも住もうかと言う意気込みがあるのに情けない。タイの人の名前を覚えられるように、少しはタイ語に慣れなければいけない。「サワディカップ」しか話せないのはチョットまずいよね。
国内便なので、空港での面倒な手続きは何も無い。搭乗までに2時間近くもあるが特にする事も無い。クルマの中は「NoSmoking」のシールは張ってあったが運ちゃんの御好意で、タバコを吸わせてもらった。押しなべて東南アジアの人々は、特に男は、ほとんどタバコを吸う。町を流しているタクシーの運転手でも、タクシーの後ろ座席は「禁煙」になっているのに、シャツのポケットからはタバコの箱が覗いている。客待ち時間には運転手仲間と立ち話をしながらプカプカとおいしそうにタバコを吸っている。そして、クルマには灰皿が無いので、そのまま道路にポイ。マレイシアのランカウイへ行った時など、タクシーの待合場所の道路に吸殻が山ほど落ちていた。そして、私も運ちゃん達とコミュニケーションを取りながら、プカーと一服やっていたのだ。
ところが、ここ空港では待合室やレストランにも灰皿が無い。ヘビースモーカーの我々二人にはタバコを吸えないのが一番辛い。海外に出るたびに「タバコをやめなければ」と思うのだが、日本に帰ればすぐに忘れてしまう。それどころか、空港を一歩出ればもう禁煙のきの字も無い。「郷に入っては郷に従え。タバコは現地の人と同じ物を吸わなければ」とばかりに、現地で作っている煙草を買ってはまずいのを我慢して吸っている。うちのかみさんもうるさく言うが「やめようとするストレスで肺がんになる前に死んでしまうぞ」などと勝手な理屈をこねて、家でも遠慮無くパカパカ吸っている。そんな訳でK氏と二人でタバコを吸える場所を探し回ったら、一番すみっこの喫茶店の中の客がみんなタバコを吸っているのを見つけた。コーヒーよりもタバコが吸いたい一心で喫茶店に入った。「ゲッ!」、タバコの煙も臭いも無い禁煙エリアから、ガラスで囲まれて、換気も十分でない喫煙OKの喫茶店に入ったとたん、煙と臭いで思わず顔をしかめる。ヘビースモーカーの我々が「スゲー臭いだ。こんな所では呼吸もできないぜ。こりゃたまらんわい」と思うほどだから、タバコを吸わない人達には、タバコの煙と臭いは迷惑以外の何物でもないのだろう。
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【 目 次 】
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1.初めてのバンコク
2.シーフードレストラン
3.ナナ駅界隈
4.大都会バンコクの怖〜いお話
5.チャオプラヤ川とお寺
6.日本人居住区
7.パッポン・タニヤ
8.朝市
9.ホテルの朝食
10.メランコリック・パタヤ
11.別荘キット
12.空港とタバコ
13.暗くなって到着プーケット空港
14.カタビーチのホテル
15.パトンの夜はやっぱり怪しい
16.コンシェルジュ
17.ビーチ
18.真昼のプーケット
19.カタビーチ商店街
20.プーケットファンタシー
21.プーケット最後の一日
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