団塊世代必読「不良中年二人連れタイ旅行記」 タイでロングステイはいかが?    《信州ネット.Com》

1.初めてのバンコク

 久しぶりの海外旅行だ。が、出かける直前までバタバタして、航空券が取れたのが出発のわずか三日前、ホテルも出発の前日に取りあえずバンコクの二泊分だけの予約を取りつけて、あわただしく出発した。
 それでも、空港へ到着したとたん、あの、国際線の華やかな雰囲気に、心は早くもまだ見ぬ異国の地へと飛んで行く。「ブックオフ(中古の本屋さん)」で東南アジア通の文庫本をしこたま買い込んで、しっかりし込んだチョット古目のいかがわしい予備知識を元に、あんなんだったらウッシッシ、こんなんだったらイッヒッヒと、中年の男二人、早くも、当然のごとく、良からぬ相談。本来の目的はどこへやら、喫茶店でコーヒーを飲みながら搭乗時間が来るのを待つ。
 「JALXX便のお客様、間もなく搭乗開始でございます・・」のアナウンスで搭乗ゲートから機内へと向う。タイ航空・日本航空の共同運航便はすでに離陸の準備を整え、キーンと言う耳障りな騒音を発しているのだが、めったに外国旅行へは行けない我々貧乏旅行者には、それも心地よい出発のはなむけだ。機内に一歩足を踏み入れると、ここ5年ほど前からのことだが、これでもかと目一杯の笑みを浮かべた中年前後の「元ステュワデス」の方々が出迎えてくれる。いくら一生懸命微笑んで見ても、懸命に化粧をして若作りをして見ても、両の目じりに深く刻まれたしわはその御年を隠しようも無く、「いつから日本の飛行機会社はこんなになったんじゃい」と一人がっかりしながら席に着く。いやいや、決して私一人の感想では無かった。K氏も「いくら再雇用といってももう少しなんとかならないもんですかね〜。これでは、とてもスッチーとは言えませんね。 ブッチーとでも言うんですかね。」とがっかりした様子。
 たまにしか飛行機に乗れない我々庶民には、たとえエコノミークラスといえども、上品?で、きれいで、スタイルが良くて・・のスッチーを期待するものなんですが。おわかりですか?航空会社のえらいさん!。と、まあ、いきなり話しは横道にそれてしまうのが我々のいつものパターン。                                    

       【 目 次 】
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  1.初めてのバンコク
  2.シーフードレストラン
  3.ナナ駅界隈
  4.大都会バンコクの怖〜いお話
  5.チャオプラヤ川とお寺
  6.日本人居住区
  7.パッポン・タニヤ
  8.朝市
  9.ホテルの朝食
 10.メランコリック・パタヤ
 11.別荘キット
 12.空港とタバコ
 13.暗くなって到着プーケット空港
 14.カタビーチのホテル
 15.パトンの夜はやっぱり怪しい
 16.コンシェルジュ
 17.ビーチ
 18.真昼のプーケット
 19.カタビーチ商店街
 20.プーケットファンタシー
 21.プーケット最後の一日

 そうこうしているうちに5時間と30分が過ぎ「当機は間もなくバンコク国際空港に到着致します。現地の天候は曇り、気温は摂氏29度・・」と機長からのアナウンス。運良く窓側の席に座れた我々は、窓から下を覗いて見ると、あらら、昔なつかしい日本の田園風景。日暮れ間近のほのかな光を浴びて、沈んだ緑色の水路がまるで道路のように家や田んぼを区切っている。と、突然、日本の建売住宅の団地のような形の住宅の群れが眼下に出現。どの家も、同じ屋根・同じ壁・同じデザインで、間違って隣の家に帰ってしまいそうな同じモデルの集合体。こんなのが、あちらにもこちらにも。大都会の郊外は、どこの国でも同じなのか、あるいは日本の団地がモデルになっているのか。人口600万人、周辺を合わせた首都圏の人口は1000万人と言われているタイの首都バンコクの夕闇の姿はまだここからは見えないけれど、チョットがっかりした気分。
 ドドーン!キュッキュッー!。いつものような小さな振動を感じ、無事に着陸した。タラップをおりるとそこは憧れの南国の地。が、意外にも暑くない。「ムムッ、日本の夏のほうが暑いぞ。太陽は赤道よりも北回帰線の方に近いのだから、マアこんなもんかも知れないな。」と納得しながら構内バスに乗り込んだ。ところがこのバス、なかなか止まらない。視界は前後左右を色々な国の駐機中の飛行機でさえぎられているので、バスの中から空港全体を見渡すことは出来ないが、バスの走行距離から見て、この空港はデカイ。しばらく走ってようやく到着ロビーに着き、イミグレイション・税関検査を通過し、名古屋空港とは雲泥の差の「さすがアジアのハブ空港のひとつ」と唸らせるような人の波をかいくぐり、取りあえず現地通貨に両替をとエクスチェンジを探す。
 日本との時差はマイナス2時間。日本時間の夕方3時30分に名古屋を出発し、到着が現地時間の午後7時。赤道直下の最も自転速度の速い地点に立って見ると、夏至を過ぎたばかりだと言うのに日が落ちるのが早い。日本の午後7時ならまだ十分に明るいのに、バンコクではもう相当暗くなっている。

 両替を済ませて、リムジンタクシーの売り込みを断り、タクシー乗り場へと向う。「ンンッ」、な・な・な・な・なんと人相の悪い奴等ばかり。こいつらのタクシーに乗ったら、いったい市内までいくらふんだくられるのかわからない。「ここはもう一度リムジンタクシーと交渉してみよう。」とカウンターへ戻り「ハウマッチ」ともはや万国共通言語と化した一節を叫ぶ。「シックスハンドレッドバー(600バーツ)」の返事。1バーツ3円で計算すると、日本円で1800円。「まあいいか、初めての土地だし」と自分自信を納得させ、その上「リ・ム・ジ・ン」の快い響にも誘われて、タクシー乗り場に並んでいた運ちゃん連中とはどこか違うネクタイを締めた紳士風のお兄さんについて行く。「マイカーイズオーバーゼア」そこに鎮座しているのは、日本名「グラシア」、あのマークツーの兄弟車だ。「こ・こ・これがリムジンか〜」。でもでも、タクシー乗り場で客待ちしているタクシーはぜ〜んぶカローラかシビック。ならばこれがリムジンなら納得せねばなるまいと、荷物を預けて乗り込んだ。

 空港から市内まではずっと高速道路。日本と同じ左側通行で、走っている車もほとんどが日本の車。おまけに高速道路沿いに立っている看板までもがSONY・NATIONAL・TOSHIBA・TOYOTA・NISSAN・HONDAと日本メーカーのものばかり。都心部に入っても、明かりがついているビルはほとんどが近代的な箱型のビル、異国の地を感じる要素はほとんど無い。すると突然リムジンタクシーがツツーッと急停車。「これが噂に聞くバンコクの渋滞かな?」と前方を眺めれば、くだんの運転手のお兄さんいわく「アクシデン・アクシデン」。なんの事かと思えば交通事故、ぺちゃんこになったカローラと数台の姿もわからなくなった車が道路の中央寄りの車線をふさいでいる。この光景までも日本の高速道路と変わりなし。一生懸命に勉強した予備知識とは大きく食い違い、我がリムジンタクシーは大混雑の筈のバンコクの高速道路を事故車を尻目にスイスイと進む。
 「ハウマッチイズヨーカー」とたどたどしい英語で運ちゃんにリムジンタクシーである「グラシア」の値段を聞いてみると、「アバウトワンミリオンバー」の返事。中古車なのに日本円で約300万円也はやはり高い。クルマの関税は70%と聞いている。カローラでさえも新車だと300万円ほどするそうだ。この人、運ちゃんのくせにけっこうお金持ちかも?。
 ところで、ご多分に漏れずバンコクも不景気なのか、有名な大渋滞にはお目にかかれない。高速道路を下りて市内の幹線道路に入ってもクルマはなんのストレスもなくス〜イスイ。街中の看板が急にヘナヘナ文字のタイ語に替わると、「やっぱりここはバンコクだ」と認識はするのだが、台北や香港など、中華系の大都会とはやはりどこか雰囲気が違う。町並みはどこと無く南国風で、意外と緑が多く、町のなかでも椰子の木をよく目にする。暗いせいか、香港や台北の町と比較すると少し地味目。ネオンのギラギラが両中華系の都市と比べると少ない感じ。600万人の人口を感じさせない意外な静けさでバンコクは我々を迎えてくれた。

 日本を出発する直前にマンダリンホテルを予約しようとしたのだが、満室で取れず。同じ資本系列のプラザホテルを勧められて、二泊分の予約を入れておいた。クーポンが到着したのが出発の前日でホテルの良し悪しを云々言っている時間的な余裕も無く、日本円でシングル一室3000円也、「まあ、あまり期待しないで行きましょう」と軽い気持ちで出かけてきたのだが、ホテルの前に到着して見ると「期待しないで良かった」と変な意味で納得。「PLAZA HOTEL」のやけに大きなペンキ塗りの看板がそこだけ新しく塗り替えてあり大通りにデンと顔を向けているのだが、なぜかしみったれぽいし、ホテル正面からまっすぐに延びている片側三車線の大通りもどこと無くうらぶれた感じ。玄関ポーチとは名ばかりの駐車場の真中に我々のリムジンタクシーは乗り入れた。
 「当然ベルボーイなどいないだろうな」と自分で荷物をおろそうとしたとき、水色のアロハを着た色の浅黒いにいちゃんがどこからとも現れて、なにやらタイ語で言いながら、荷物をロビーまで運んでくれた。にこやかに「いらっしゃいませ」などと言う歓迎の挨拶は当然期待していないが、なぜかここの人達は怒ったような顔をしている。「微笑みの国タイランドなんて嘘やで〜」と思わず口に出てしまう。
 古ぼけた、小さくて狭いロビーに入ると、正面にこじんまりとしたフロントのカウンター。「アイハバリザベーション、マイネイムイズXXX、イッツスペリングXXXX」。「イエッサー、プリーズなんたらかんたら・・」。で、チャーンと予約は入っていたし、おずおずと差し出したクーポンもOK。インターネットでの予約は完璧ジャン。どうでもいいようなレジストレーションカードにいい加減に記入して、無事チェックインを終え、のんびりとしたエレベーターで5階に上がって部屋に足を踏み入れる。
 「オー!広い」。「一昔前はこれでもきっと一流のホテルだったんだろうな〜」と思わせるでっかいキングサイズベッドがデーンと真中に座り、そのベッドの向こう側は窓際まで広ーい空間。広くてもリッチな感じがしないのは照明のせいか、あるいは一泊3000円のせいか。いったいここで何をしろと言うのかな。照明をつけようとスイッチを押してもつかない。どこかのホテルと同じで、ドアを入ったすぐのところにキーホルダーを差し込む穴がある。この穴にキーホルダーをセットすると、室内の照明やエアコンが作動するようになっている。キーホルダーを差し込むと、普通、キーホルダーの大きさにあわせてガイドがある筈なのだが、ここのそれは、穴があいているだけ。それでもキーホルダーを差し込んだら明かりがついた。「ナンジャこりゃ」と、かたわらの栓抜きをキーホルダーの替わりに差し込んでも、やっぱり明かりがつく。さすがに大雑把なアジア風。まあ、なんでもつけば正解だけどね。
細かい日本人ならきっとフロントへ苦情を言いにいくのだろうな〜。

 荷物をベッドの上に放り出して、さっそく出かけんとK氏の部屋に行って見た。ここも私の部屋と全く同じだ。「まだ8時ですね。腹も減ったし、夜の町へ出かけましょうか。」「勿論行きましょう。南国の夜は長いですから。」と、お互い、長い夜に何かを期待して、夜のバンコクへ繰り出すことにした。フロントに鍵を預け、「キャナイゲットアマップオブシティ?」とバンコクの地図を手に入れ、玄関に一歩足を踏み出せば、駐車場でたむろしていた人相の悪いタクシーの運ちゃんからさっそく「マッサージ?カラオケ?オカマ?」とお声がかかる。「いあや〜、いきなりだもんね」。でも、我々はたった今着いたばかりで右も左もわからない。その上、かなり腹が減っている。チョットそこらへんで屋台を冷やかしながら腹ごしらえでもしようかと、良からぬ誘いを振り切ってブラブラと歩き出した。 が、10歩も歩かないうちに「マッサージ・マッサージ」とうるさく誘うトゥクトゥクの兄ちゃん達。

 ところで、タイの「マッサージ」や「カラオケ」について一言触れておかないと、どうしてこんなにマッサージやカラオケばかりに誘うのかと言う理由がわからないと思います。バンコクでは、ワット・アルンの境内にある本格的な古式マッサージが有名ですが、こういった正統的なマッサージ屋さんといかがわしいマッサージ屋さんが、街中にたくさんあり、混在していて、正直見分けがつきません。ところが、運ちゃん達が言う「マッサージ」とは、こういった清濁あわせたマッサージ屋さんではなくて、日本で言うところの「ソープランド」そのものを指します。そのうちの代表的なものは、大きな建物を入るとガラス張りのでっかいショウウインドウのようなものがあり、その中はひな壇になっていて、その時に在籍中のおねーちゃん方が展示?されています。お客はその中から気に入ったおねーちゃんを指名して、
二人で腕でも組みながら個室へと案内されていきます。浴場付き個室でうら若いおねーちゃんが、色々楽しい!気持ちいい!ことをしてくれるらしいのですが、その中に、当然マッサージも含まれているのでしょう。そこから、男性の観光客に対してにやつきながら誘う「マッサージ」=「日本のソープランド」となるわけです。
 ちなみに「カラオケ」は、日本の「カラオケハウス」と大きくちがい、天井には煌く照明があり店内は薄暗く、歌謡番組のセットのような大きなステージでは、本人が希望しても絶対になれないと保証つきの芸能人志望のおねーちゃんが超ミニの体をくねらせて歌手になりきったつもりで歌っています。左右のカウンターには、前述の「マッサージ」同様、たくさんのおねーちゃんがあやしい作り笑顔を振りまいていて、お客はこれまた同様に、気に入ったおねーちゃんを指名して、「あの子が欲しい」「OKいいよ」「ハウマッチハウマッチ」「これだけよ」と商談が成立すれば、本来のカラオケなどははそこそこに、彼女と手に手を取り合って外へ消えて行くという寸法。勿論、ご自分のお泊まりになっているホテルへお持ち帰りになってもかまいません、と言うシステムです。
 オカマとは、文字通りオカマのことなんですが、オカマとチョメチョメする物好きな方は別として、基本的には「オカマショー」の見学です。バンコクは世界でも有名な「オカマ」大国。きれいでコミカルなオカマショーを看板にしているお店はたくさんあります。
 そして「トゥクトゥク」、昔の日本で、今ほどモータリゼーションが発達していない頃、「とんまてんぐ」の番組の中で、関西喜劇の若手(その当時、今は大御所)の大村昆がコマーシャルをしていたダイハツの「ミゼット」ようの軽三輪自動車に荷台をつけ、その荷台に客席用ベンチをつけたタイ独特の移動用乗り物。三輪のくせにブンブン走りまわり、危ないことこの上も無いことでつとに有名。

 語句の説明はこのくらいにして、三人いるトゥクトゥクの運ちゃんから「マッサージ」のお誘いを受けたのだが、「腹が減っては戦が出来ぬ」とばかりに、取りあえず晩飯をと「シーフードが食いたい〜」と叫んだ。

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タイ・チェンライでロングステイ!年金でだけで暮らせる夫婦で一ヶ月10万円楽園生活「シヴィエンリゾート&スパ」

 海外でロングステイ(長期滞在)と言うと、何か特別なことのような感じを受けられる方が少なくありません。「ビザはどうする?」・「病気になったら?」「言葉が通じないのでは?」など、不安要素が少なくないからです。しかし、もっと気楽に考えられないものでしょうか?。「一週間の海外旅行を一ヶ月に延ばしてみる」程度の感覚でも良いのです。
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ページ作者のタイ3都市巡り「タイでロングステイも悪くない」

 2006年5月9日から16日まで、8日間の予定でタイへ行ってきました。タイでは多くの方々がロングステイを楽しんでいらっしゃるらしいのですが、今回の旅は、そんな方々に直接お会いして、「本当に幸せな生活をされているのかどうか」の生のお声をお聞きするのが目的でした。コラート→バンコク→チェンマイと3都市を回りましたが、日本人のロングステイのメッカはやはりチェンマイ、特にチェンマイで暮らしておられる方のお話しを聞きたかったのです。画像で綴るタイ旅行記、是非お楽しみ下さい。
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