ホテルへ帰っても、昼寝はちょっともったいない。K氏は「私チョット寝ますわ」と寝てしまったが、このホテルにもプールがあるのを思いだし、まだ濡れている水着に着替えてプールへ行ってみる。楕円形の小さなプールで、プールサイドでは、白人の中年の夫婦と少し若い夫婦の二組がデッキチェアで昼寝をしている。プールの奥にはバーがあって、カウンターしか無いのに従業員が三人もいる。夕べのにいちゃんもいて、にこやかに挨拶してくれた。他の二人は、マネージャーのようなチョットおしゃれなおにいさんと、朝食の時にレストランにいた小柄な若い女の子。バーの横の壁面にダーツがかけてあった。「ドゥーユープレイダーツ?」とマネージャーに聞くと、「イエース」の返事。二人で、一組しか無い、先のゆがんだダーツを投げて退屈を凌いだ。マネージャーは結構ダーツが上手だ。久しぶりに投げたけど、弘法?が筆を選んだので、負けてしまった。カクテルを一杯飲んで、ほろ酔いでプールに入ってひと泳ぎ。従業員の諸君ともコミュニケーションが取れて仲良くなれたので、楽しい一時を過ごすことが出来た。デッキチェアにタオルを敷いてもらい、木陰でチョット一休み。プーケットでは珍しく湿気の無い風が心地よい。潮騒をBGMに、うつらうつらと私も昼寝。
部屋に帰ってもまだK氏は寝ているようだ。着替えて、カタビーチの町をぶらついて見ようと外へ出る。夕方前のビーチはなんとも物憂い。明るいのだけれど、なぜか寂しげな空気が漂う。お土産物屋さんにもレストランにもお客は一人もいない。トゥクトゥクの運ちゃんもボケっとひましている。「ハーイ」。「ハーイ、マッサージ?」。いい加減にしくされよ、なんでもかんでもマッサージマッサージとうるさく言ってくる。トゥクトゥクの待機場所の前に小奇麗なお土産屋さんがあったのでぶらりと入ってみた。籐で編んだトートバッグが幾つかつるしてある。色も形もシンプルで、かみさんのお土産にピッタリだ。しかし、欲しそうに見ていたり、値段を聞くのは相手の思う壺。あちらこちらと色んな商品に目をやり、さも「見るだけよ」の態度で、店員のおじさんの出方を待つ。すると、向こうから言ってきた。「ヤスイヨヤスイヨ」。この言葉もワンパターン、国中がいっしょの日本語。「アイムジャストルッキング」。「コレニアウヨ」と今度はネクタイを持って来る。値段は、二本で500バーツと書いてある。おいおい、高いぜ。ところで、例のトートバッグはいくらだろう。「これ、いくら?」と聞いて見た。「ファイブハンドレッドバー」。「オオッ、イクスペンシブ」。電卓を差し出して、「イクライクラ」。「こりゃ,どこまで行ってもこいつ等能無しかい?。少しは違うこと言えよ」、と心で思って見ても、顔に出さずに、100と電卓に打ち込んでやった。「ソレダメネ」とおじさんは300を電卓に打つ。「ノーノー」と今度は150で勝負。おじさん、突然「OKOK」。150バーツ、450円で話がついた。大きな袋にトートバッグを包んでもらい、「サンキュー」と店を出る。
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【 目 次 】
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1.初めてのバンコク
2.シーフードレストラン
3.ナナ駅界隈
4.大都会バンコクの怖〜いお話
5.チャオプラヤ川とお寺
6.日本人居住区
7.パッポン・タニヤ
8.朝市
9.ホテルの朝食
10.メランコリック・パタヤ
11.別荘キット
12.空港とタバコ
13.暗くなって到着プーケット空港
14.カタビーチのホテル
15.パトンの夜はやっぱり怪しい
16.コンシェルジュ
17.ビーチ
18.真昼のプーケット
19.カタビーチ商店街
20.プーケットファンタシー
21.プーケット最後の一日
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