部屋に帰って歯を磨き、入れたら当然出るものもあるので、それを済ませて、バンコク市内の有名なお寺巡りに行く。地図は手元にあっても、二日目の朝では自分で行く自信は無い。ここはタクシーに頼るしかないのだが、あちらこちらで拾うのも面倒だし、全てのタクシーがメーターで走ってくれるとは限らない。その上、地理に不案内な観光客相手だと、遠回りはありそうだし、「マッサージ」や「お土産屋」に連れ込まれるのも面倒。最初からこことこことここでいくらと決めてチャーターしちゃった方が安心だし、安いかも。ホテルの玄関へ出ると、専属のタクシー屋さんがひまそうに話しをしている。タクシーを管理するデスクがあり、そこにはゴツイ顔をしているが、どこか間抜けで、人の良さそうなおっさんが座っている。「XXXXX」となんにも理解できないタイ語で挨拶されたが、きっと「おはよう」とでも言っているのだろう。「ハウマッチ、フォーサイトシーイングインザシティ?」「3000バー」。二人で日本円で9000円。高いか安いかは受け取り方によって違うが、運ちゃんがガイドをしてくれるので、これに決めた。50歳くらいの背の高いやさしい顔をした運ちゃんが我々の担当。クルマはと言えば、日本ではついぞ見ることがなくなった15年〜20年ほど前の白いクラウン。そう言えば当時「いつかはクラウン」とコマーシャルに出ていたあのモデル。クラウンなのに手動5速ミッションで、スピードメーターはなつかしい角型。パワーウインドウは無く簡素な造り。エアコンは付いているので暑いタイでも心地よい。「余分な電装品や部品を使ってないから長持ちするのだろうな〜」とメーターを覗くと30万キロほど走っている。ただの30万キロなのか、一回転して130万キロなのかは定かでは無い。が、静かで快適に走る。運転手の腕も確かで、やたらとスピードを出して走るようなことはしない。安心して乗っていられる。まずはチャーターにして良かったなと思った。
コースの最初はチャオプラヤ川から船に乗り換えて、運河を巡り、あの「暁の寺、ワットアルン」見学だ。どこをどう走ってきたのかはわからないが、車はビルとビルの間の狭い空間に入り込んだ。小さな通りを少し進むとタクシーが数台停まっている駐車場があった。突き当たりの左手には小さな売店があり、そこから奥に川らしき物が見える。「アイムウエイティングヒヤ(おれココで待ってるから、あんたら勝手に行っといで!)」と運ちゃんはクルマを停めると売店までついてきてくれた。一人500バーツだかを支払ってチケットを買い、売店の奥に進むと、黄土色に濁った川に出た。
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【 目 次 】
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1.初めてのバンコク
2.シーフードレストラン
3.ナナ駅界隈
4.大都会バンコクの怖〜いお話
5.チャオプラヤ川とお寺
6.日本人居住区
7.パッポン・タニヤ
8.朝市
9.ホテルの朝食
10.メランコリック・パタヤ
11.別荘キット
12.空港とタバコ
13.暗くなって到着プーケット空港
14.カタビーチのホテル
15.パトンの夜はやっぱり怪しい
16.コンシェルジュ
17.ビーチ
18.真昼のプーケット
19.カタビーチ商店街
20.プーケットファンタシー
21.プーケット最後の一日
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