今何時?。目をさますと、素っ裸の自分に驚いた。昨夜は、部屋に入るなり、着ているものを脱ぎ捨てて、シャワーも浴びずに、そのままベッドに倒れ込み、ぐっすりと寝込んでしまったようだ。元来が疲労回復の早いタイプで、ほとんどの場合、どんなに疲れていても一晩の熟睡で元気になる。今回も寝覚めはさわやかで、昨夜の激戦(?)の疲れは無い。部屋のカーテンを開けると、目の前はあまり新しいとは言えない高層マンション。この辺りはバンコクでも早くから賑わいを見せていた地区らしく、新しい建物は少ない。空はどんよりと曇っているが、それでも昼には暑くなるのだろう。4室ほど離れたK氏の部屋に電話を入れて、朝食のお誘いをする。部屋にはドライヤーは勿論、歯磨きや歯ブラシも無い。着替えてフロントで「キャンナイゲットアトゥースブラシュ」と聞くと、「ソーリー、ウイドントハヴ」と冷たい返事。「コンビニが近くにあり、そこで売ってるよー」、コンビニの場所を聞いておいて、朝食の後で買いに行こう。ロビーでヘナヘナ文字のタイ語の新聞を見ていると(読めないから)K氏が下りてきた。
しょぼいレストランはフロントの向い側、ロビーの奥にある。ビュッフェスタイルの朝食で、トーストに卵焼き・ソーセージ・ベーコン・サラダ・オートミールに少々のフルーツと予想通りの簡素な内容。「朝食付き一泊1000バーツ(3000円)ならまあこんなもの」と納得して、決しておいしいとは言えない乾いたトーストをほおばりながら「さて、今日の予定を検討しましょうか」。「せっかくバンコクにいるのですから水上マーケットが見たいですねー」「そうですねえ、だけど、この時間からだともう終わってしまっていますよ。ここからだと1時間以上かかりますからねえ。今日は取りあえずお寺巡りが無難な線ではないでしょうか?」「そうですね、おまかせしますよ」「その前に、コンビニで歯ブラシを買わないと。このホテルの部屋にはなーんにも無いですよ」「私も行きましょう」と二人でホテルから歩いて2〜3分のコンビニへ出かけた。歯ブラシ一本25バーツ(75円)は安い。歯ブラシと歯磨きを手に入れてブラブラと歩いてホテルへ帰る途中で、明るい時間に町並みを見るのは初めてなのに気がついた。なんだか、異国の町と言う気分がまるでしない。道路を走っている車は日本車ばかりだし、コンビニもファミリーマートみたいだし、見渡す景色も名古屋の町に似ている。この辺りが特にそうなのだろう。 |
【 目 次 】
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1.初めてのバンコク
2.シーフードレストラン
3.ナナ駅界隈
4.大都会バンコクの怖〜いお話
5.チャオプラヤ川とお寺
6.日本人居住区
7.パッポン・タニヤ
8.朝市
9.ホテルの朝食
10.メランコリック・パタヤ
11.別荘キット
12.空港とタバコ
13.暗くなって到着プーケット空港
14.カタビーチのホテル
15.パトンの夜はやっぱり怪しい
16.コンシェルジュ
17.ビーチ
18.真昼のプーケット
19.カタビーチ商店街
20.プーケットファンタシー
21.プーケット最後の一日
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