バンコクのドンムアン空港から約一時間のフライトでプーケット空港に到着する。7時半頃に着いたのだが、外はもう真っ暗だ。この空港にも、観光客目当てに人相の悪い(空港のタクシーの運転手はみんな人相が悪いのかな)タクシーの運ちゃんが「タクシ・タクシ・ドコドコ、ホテルドコ」と片っ端から声をかけてくる。「ヘヘーンだ。我々にはチャーンとホテルから迎えが来ているもんねー」と「Mr.TXXXX」の私の名前のプラカードを目で探す。たくさんの出迎えの人がひしめいていて、ダンボールのきれっぱしやボール紙にお目当ての名前を書いて頭上に掲げている。どこの空港でもおなじみの光景がここプーケットでも見られる。「当然、ワイの名前もある筈でっせ、オヤ、まだ来ていないのかな。でも、他のホテルの向えは来ているし、フライトナンバーは教えてあるし、到着も遅れてない。おかしいな」。キョロキョロしていると、タクシーの運ちゃんがうるさく付きまとってくる。「ホテルドコ」。「ポップコテージ、迎えが来るよ」。「・・!、ニヤニヤ」。プーケット空港は小さな空港なのですぐに外の通りに出てしまう。でも、外にも迎えらしきクルマはいない。少々不安になってくる。「ヤバイ、こりゃハメられたかな?」。時が経つとともに不安は増幅されて怒りに変わり、そして、ついには諦めになってしまった。乗ってきた飛行機の乗客のほとんどはそれぞれの目的地に向って出発し、空港に残っているのは我々二人と、カモを見つけた先ほどのしつこいタクシーの運ちゃんだけ。観光案内所の照明が急に消えて、両替所以外は薄暗くなってしまった。照明が消えたばかりなので、まだ誰かいるだろうと、観光案内所のカウンターに行って見た。「アノー、実は、これこれしかじかでこうなんですよ」。「ホテルドコ?」。「ポップコテージ、ほら、これクーポン」。「ポップコテージは迎えには来ないホテルだよ。それに、これ、ずいぶん料金高いよ。一泊で1000バーツなんて高過ぎるよ」。「ン・・!」。「タクシーで行くしかないね。ヘイXXXXXX、お客さんだよー」。結局運ちゃんの読み勝ち。我々が乗らなければならないのをハナから知っていた運ちゃんは、徹底マークで100%の確率で客をしとめた。「ハウマッチ」。「ファイブハンドレッドバー」。「OK」。地図で見ると、空港からホテルのあるカタビーチまではずいぶん遠い。500バーツなら適当かと荷物を預けた。プーケットのタクシーにはメーターがついていない。その上、白タクなので、タクシーかどうかの区別もつかない。車はホンダのシビックだった。
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【 目 次 】
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1.初めてのバンコク
2.シーフードレストラン
3.ナナ駅界隈
4.大都会バンコクの怖〜いお話
5.チャオプラヤ川とお寺
6.日本人居住区
7.パッポン・タニヤ
8.朝市
9.ホテルの朝食
10.メランコリック・パタヤ
11.別荘キット
12.空港とタバコ
13.暗くなって到着プーケット空港
14.カタビーチのホテル
15.パトンの夜はやっぱり怪しい
16.コンシェルジュ
17.ビーチ
18.真昼のプーケット
19.カタビーチ商店街
20.プーケットファンタシー
21.プーケット最後の一日
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