団塊世代必読「不良中年二人連れタイ旅行記」 タイでロングステイはいかが?    《信州ネット.Com》

18.真昼のプーケット

 午前中をビーチで過ごし、ダキと言う現地の男と友達になった。気さくで素直で、タイ人の見本のような言い奴だった。昼飯を食いに、真昼のパトンに向う。トゥクトゥクはいつもの所で客待ちをしていた。「パトン、ハウマッチ」。「トゥーハンドレッドバー」。いつでも、だれに聞いても200バーツ。ほぼこれが定価のようだ。昨夜の暗い道と違い、今日は南国の太陽が真上から降り注いでいる。オープンエアの荷台に乗っているので、風が気持ちいい。左側が海で、道路は左側のがけ沿いに走っている。時々ホテルが建っているが、だいたい山沿いにある。ただ、カロンビーチの北の外れの高級ホテル「メリディアン」は道路の左側、海沿いに建っている。プライベートビーチを持っているのだろう。ジャングルのような鬱蒼と茂った森の中にコテッジと管理棟が点在している。道路から次第に下の方へと広がっていて、入り口から海岸までが全てホテルの敷地のようだ。こんなホテルこそアイランドリゾートの真髄だろう。シーズンオフでも一泊1万円を下ることはなさそうだ。しばらく走ると、昨夜見た絵描きさんの店舗があり、そこがY字路になっていて、右へ行くと島の中央へ、左がパトン方面だ。正面の店舗には、高そうな骨董品がたくさん並んでいる。チョット寄ってみてみたいが、照明が消えていて、今日はお休みのようだ。トゥクトゥクはパトンへの道を進む。Y字路を過ぎるとすぐに左手にビーチが広がり、右手には、昨夜見た大型ホテル「プーケットアルカディア」の円形の建物群が見える。夜ではよくわからなかったが、このホテルの敷地も並の広さでは無い。入り口から本館の正面玄関までは歩いて行くとかなりの距離だ。ビーチへ出るのも大変そう。今日あたりは日本の学校が夏休みに入ったので、日本人の旅行客がたくさん到着するのだろう。このホテルを過ぎればパトンの入り口は近い。夜ほどではないが、それでもこの辺りは車も人も多く、昼でも賑わっている。大通りの真中あたり、パトンの繁華街でトゥクトゥクをおりた。さすがにバービアは閑散としている。夜にはよくわからなかったが、狭いソイには、日本で言うところのラブホテルらしき小さなホテルがひしめきあっている。ほとんどが建物の二階にあり、ひっそりと目立たない地味な看板がついている。ここら辺で引っかかった観光客が、怪しげなねえちゃんやにいちゃんとしけ込む場所だ。

       【 目 次 】
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  1.初めてのバンコク
  2.シーフードレストラン
  3.ナナ駅界隈
  4.大都会バンコクの怖〜いお話
  5.チャオプラヤ川とお寺
  6.日本人居住区
  7.パッポン・タニヤ
  8.朝市
  9.ホテルの朝食
 10.メランコリック・パタヤ
 11.別荘キット
 12.空港とタバコ
 13.暗くなって到着プーケット空港
 14.カタビーチのホテル
 15.パトンの夜はやっぱり怪しい
 16.コンシェルジュ
 17.ビーチ
 18.真昼のプーケット
 19.カタビーチ商店街
 20.プーケットファンタシー
 21.プーケット最後の一日

 「何を食べましょうか」。「やっぱり、タイ料理でしょう」。「でも、昼はどこもガラガラですね」。などと話をしながら歩いていると、「ハーイ、コンニチワ、マッサージ?」、と昼からいきなりのおさそい。にこやかで健康的な笑顔もすがすがしい、こざっぱりした身なりのにいちゃんが声を掛けて来た。「マッサージはいらないけど、昼飯食いたい」。「なにがいい。シーフード?。ステーキ?」。「タイのシーフード」。「OK、安くておいしい店あるよ」。「じゃあ、そこ連れてけよ」。「OKOK、ぼく、クルマあるよ。アッチ」。声を掛けて来たのは白タクの運ちゃんだった。年のころなら30歳くらい。清潔感があって、いかがわしい感じがしない。オープンシャツにズボンはここらの一般的な恰好だが、足にはビーチぞうりがご愛嬌。クルマはコロナだった。カローラやシビックがほとんどの中で、一クラス上のコロナに乗っているとは、なかなかやり手なのかも知れない。パトンのレストランかと思ったら、車に乗れというので「どこまで行くの?」と聞いたら「スグスグ」と言って車を出した。「この道はプーケットタウンへ行く道ですよ」。「そうそう、プーケットタウンの近くね」。

 メイン通りを右に外れて森の中の砂利道をしばらく走ると、海岸に面して、広大な敷地の中にレストランはあった。大きな木がたくさんあって、涼しげな木陰をつくっている。駐車場だか庭だか仕切りが無いので分からないが、適当なところにクルマを停めて、当然のごとく運ちゃんも降りてくる。茶色い鶏が我が物顔で走り回っている。「おまえら、今からおれが食っちゃうんだゾー」。明るい昼なので、ごみの焼却炉などのアラが目立つが、夜、ここへ来たら、日本人の女の子なんか、イチコロで参っちゃうんじゃないだろうか?。森の中に、屋根を椰子の葉で葺いた小屋が点在し、そこが客席になっている。我々以外はだれもお客がいないので、店の従業員達が、小屋の中で寝そべって昼寝の最中。従業員は若い男ばかり。黒いズボンにゴールドと黒の細かいプリント模様のアロハを着て、センスもいい。横になっていた大柄なおっさんがムクリと置き上がると、怖い顔に情けないような笑顔を浮かべて挨拶にきた。ここのオーナーのようで、我々に一枚づつ名刺をくれた。凝った名刺で、艶のある厚手の紙にカラーで印刷してある。レイアウトのセンスも悪くない。「高そうだな〜」。しかし、メニューを見ると、以外に安い。鶏のトムヤムスープやタイカレー、魚などを注文し、当然飲み物はビアシンで、料理を待つ。海を渡ってくる風が涼しくていい気持ち。すぐ目の前が海岸で、せみの声と波の音だけしか聞こえない。今の時間は引き潮のようで、ずーっと向こうには、水が引いて島のようになった場所があり、人が素足で歩いている。「向こうはプーケットタウンね」。夜になると、きっと、海を挟んで、プーケットタウンの夜景が見えるのだろう。

 こいつ、なかなかいい所を知っているじゃないか、と運ちゃんを見なおした。日本人のギャルを連れてきては、悪さをしているに違いない。「おまえ、日本人の女の子とやっただろう」。「へへ!、日本人かわいいね、友達たくさん居るよ」。あ〜あ、日本人も甘く見られたもんだ。こいつ、なかなかハンサムだし、明るくて、日本人の女の子には好感度が高そうだ。これならモテモテも不思議ではない。「いくつだい?」。「30歳」。「結婚は?」。「おくさん一人、子供一人」。「それでも日本人の女の子とやっちゃうの?」。「ないしょね!」。コノヤロー、結構いい思いをしているようだ。

 料理はどれもうまかった。明るいので、少々不潔な感じはするが、気になるほどではない。先ほどの鶏が一羽減っているのかな?。勘定書きを頼むと、オーナー自らがやってきて、明細の一つ一つを丁寧に説明してくれた。「これがこれでいくらいくら・・」。これなら信頼が置けるし、意外と低料金。再び足を運びたいと思わせるに十分な要素を備えている。最後にオーナーと握手をして、店を後にした。

 「プーケットタウン行きます?」。「せっかくだから、一度行って見たいですねえ」。「OK、プーケットタウン近いよ」。運ちゃんはなにも言わなくても、全て分かったような顔をしてコロナをプーケットタウンに向けて走らせる。プーケットタウンはかなり大きな町で、観光地と言うより、地元の人達の商店街といった趣き。ショッピングセンター・商店・市場があって、日頃の生活物資の供給基地だ。でも、どこもあまりお客は入っていない。昼下がりの商店街は、どこも疲れたような気だるさがあった。

 大きなショッピングセンターの裏手に市場があり、地元のおばさん達が、退屈そうにぼんやりしている。市場の中にも、この時間には客は居ない。市場とショッピングセンターの間に駐車場があって、一番奥に、汚れたガラス扉の事務所のような入り口がある。運ちゃんはその前でコロナを停めて、ズカズカと中へ入って行く。ついて来いと言って居るようだ。ガラスには日に焼けて色が薄くなった破れかけのポスターが何枚か張ってある。どうやら、何かのショーのポスターのようで、女の子の写真が印刷してある。明るいところから急に暗いところへ入ったので目が慣れない。中にはおばさんが何人かいたようで、運ちゃんとタイ語でワーワー喋っていた。「いま、休憩ね。だれも居ないよ」。「いったいここはなんだい?」。「マッサージ・マッサージ」。「エエッ、おいおい、昼間っからマッサージは無いぜ」。「ダイジョウブダイジョウブ、まだ他にもマッサージあるよ」。「わからん奴だな〜。マッサージノーサンキュー!」。「イエス、OKOK、カラオケ?」。「このやろう、いらないんだよ、そう言うの」。「どこいく?」。「パトンに戻るよ」。「OK、アイシー」。ようやくマッサージとカラオケのお誘いを振り切って、パトンへ戻る。しかし、よっぽど手数料がたくさん入るのかな〜。トゥクトゥクもタクシーも、男と見ればマッサージとカラオケだもんね。タクシーの運ちゃんにお金を払ってバイバイしようとすると、「ヨルドウスル、ホテルドコ、ムカエニイクヨ」。となかなかの商売熱心。「プーケットファンタシーに行くんだよ。終わるのは9時頃だね」。「イイトコショウカイ、マカシテチョ、ディスコノマエ、ナインオクロック」とばかりに売り込みを計る。「プーケットナンバーワン、カラオケ。ナンバーワンよ」。「それほど言うなら、携帯の番号教えろよ」、と携帯電話の番号のメモを受け取り、ようやくバイバイした。

 パトンへ戻って、もう一度昼間の繁華街の探索を開始。中心街から町の外れまで、ここには空き店舗と言うのが無い。そこで、海岸沿いの通りと並行して走っている、ビーチとは反対の山側の大通りを散策して見た。この通りはなぜか静かなたたずまい。一階がとてつもなく広いバービアになっている大きなビルがあるが、「for RENT」になっている。やはり、この通りまではお客がこないのか、どの店も寂れていて、工事中になっていたり、営業をしていなかったりで、まるで、「千と千尋の神隠し」で千尋が迷い込んだ廃墟の町のよう。けばけばしい装飾と大きな看板のビルには「マッサージ」の文字。このビル全体がソープなのだ。その手前には、一階で絵描さんが絵を描いている大きなビルがある。中には100号はあろうかという油絵などが所狭しと置いてある。壁に掛けて展示してある絵もあるが、ほとんどが重ねて置いてあるので、手前の絵をどけないと見ることが出来ない。二階へあがる階段の壁面にもびっしりと色々な絵が並べてあるし、手すりの横にも通路一杯に絵が置いてある。そこへ、50がらみの、派手な花柄のワンピースを着た上品なマダムが現れた。「キャンナイルックジーズピクチャーズ?」。「オフコース、プリーズアップステア」。二階のフロアにも、三階のフロアにも、ビル全体が絵だらけ。このおばさんがスポンサーになって、若手の画家を育てているのだろうか?それぞれ作風が違う抽象画やら人物画やら、ルーブルの世界的に有名な絵の模写など、あらゆるジャンルの絵が山になっている。「ハウマッチイズイットゥアバウト?」「ソー、アバウトシックスティタウズンバー」。6万バーツ、約20万円ほどだ。まあ、買うとなれば、値段なんか有って無きが如しだろうが。しかし、このおばさん、いったい何物なんだろう。プーケットに、アジアの未来のアーティストが集結しているなんて話は聞いたことが無い。でも、21世紀のアジアンアートはここプーケットからスタートするのかも。ここを見ていると、あながち現実味の無い話ではなさそうだ。

 買いそうに無い我々に、つかず離れずでお相手をしてくれたマダムにお礼を行って、アートのビルディングを出た。次はすぐ隣の煤けたお土産屋さんを冷やかす。この店は多分卸しもやっているのだろう、タイの商品だけ出なく、バリ島やカンボジアなどの民芸品もたくさん置いてあるし、アンティーク調の家具もある。新しいのにわざと古ぼけて骨董的な雰囲気を出したお面の大きいのが面白い。多分バリ島のお面だろう。小物から大きな家具まで、なんでも揃っているが、全てが埃っぽい。前の道路の砂埃がまともに店内へ入ってくるのに、あまり掃除をして無いようだ。それに、照明も暗い。外が、強烈な太陽の光に満ちあふれているのに、店内は所々に古ぼけた蛍光灯があるだけ。やる気が無いのか、相手にもしてくれない。めったに客も来ないんだろう。
 暑くて喉が乾く。コンビニでミネラルウオーターを買って飲んだ。お金を払って店を出ようとすると、日本のコンビになら「ありがとうございました。またどうぞ」と言うのが一般的だが、どうしたわけか「シェーシェーXXXX」と言われてしまった。ここプーケットも、日本人よりもチャイニーズ系が多くなって来た証、私もチャイニーズに間違えられたようだ。香港なら関東語で「トーチェ」なので、大陸の中国か台湾の人が多いということになる。「シェーシェー」は北京語で、大陸中国の標準語が北京語だし、台湾の中国語も北京語だ。ちなみに、台湾では筆談でも通じるが、最近の大陸中国の漢字が簡略化されてしまって、筆談も難しくなったと聞いた。日本の学校の夏休みが始まったというのに、日本人はまだ少ない。ここアジアのリゾートでは、最近のそれぞれの国の経済状態がよくわかる。元気を出せよ、我がニッポン。夜の喧騒が嘘のようなムエタイのリングのあるビアバーにも人っ子ひとりいない。観光客は今ごろビーチでお昼寝の時間なのだろう。我らもホテルへ帰って昼寝をしよう。今夜のスタミナを蓄えるために・・。

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タイ・チェンライでロングステイ!年金でだけで暮らせる夫婦で一ヶ月10万円楽園生活「シヴィエンリゾート&スパ」

 海外でロングステイ(長期滞在)と言うと、何か特別なことのような感じを受けられる方が少なくありません。「ビザはどうする?」・「病気になったら?」「言葉が通じないのでは?」など、不安要素が少なくないからです。しかし、もっと気楽に考えられないものでしょうか?。「一週間の海外旅行を一ヶ月に延ばしてみる」程度の感覚でも良いのです。
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ページ作者のタイ3都市巡り「タイでロングステイも悪くない」

 2006年5月9日から16日まで、8日間の予定でタイへ行ってきました。タイでは多くの方々がロングステイを楽しんでいらっしゃるらしいのですが、今回の旅は、そんな方々に直接お会いして、「本当に幸せな生活をされているのかどうか」の生のお声をお聞きするのが目的でした。コラート→バンコク→チェンマイと3都市を回りましたが、日本人のロングステイのメッカはやはりチェンマイ、特にチェンマイで暮らしておられる方のお話しを聞きたかったのです。画像で綴るタイ旅行記、是非お楽しみ下さい。
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